コラム学生アルバイトに労働条件を明示していますか?

学生アルバイトに労働条件を明示していますか?

2025年4月13日 更新


特に多くの新入生がアルバイを始める時期、厚生労働省では4 ⽉から 7 ⽉までの間で「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンを全国で展開しています。ここでは重点的注意事項5点をご紹介します。学生アルバイトとのトラブルを未然に防ぐため、一度チェックしてみましょう。

「面接で聞いた話と違う」とトラブルが起こらないように、アルバイトを雇うときも、「労働条件通知書」などの書面を交付し、労働条件をしっかり明示する必要があります。これは労働者が希望した場合には、メール等(プリントできるもの)での明示も可能です。書面には、下記7項目を必ず明示しなければなりません。

 
①労働契約の期間
②期間の定めがある契約について、更新があるか、更新する場合の判断の仕方など
③仕事をする場所、仕事の内容
④仕事の始めと終わりの時刻、残業の有無、休憩時間、休日・休暇、交替制勤務のローテーションなど
⑤バイト代の決め方、計算と支払いの方法、支払日  ※バイト代などの賃金は「最低賃金」を下回ることはできません。高校生アルバイトや雇入れ後の研修期間中も、最低賃金以上の賃金を支払う必要があります。
⑥退職時・解雇時のきまりについて
⑦無期転換申込みに関する事項及び無期転換後の労働条件について(※有期労働契約が5年を超えて反復更新されたアルバイトの場合)

本来、学⽣は学業が本分であり、学業とアルバイトが適切な形で両⽴できる環境を整えるよう配慮する必要があります。⼤学⽣等に対するアルバイトに関する意識調査(平成 27年厚⽣労働省実施)では、「試験の準備期間や試験期間中に休めなかった、授業に出られないほどのシフトを⼊れられた、または変更された」といった回答がありました。


また、労働契約法第 8 条により、労働契約の内容の変更については労働者及び使⽤者の合意が必要であり、使⽤者が⼀⽅的に急なシフト変更を命じることはできません。


労働契約法第8条(労働契約の内容の変更)
労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。

アルバイトについても、労働⽇ごとの始業・終業時刻を確認し、適正に記録する必要があります。業務に必要な準備や⽚付けの時間、参加することが義務付けられている研修・教育訓練を受講していた時間も労働時間となります。


原則として労働時間の端数は 1 分でも切り捨てることはできません。アルバイトにも残業⼿当の⽀払いは必要です。


また、アルバイトであっても「「6か月以上勤務を継続的にしている」「全労働日の8割以上出勤している」という2つの要件を満たせば有給休暇が付与されます。

アルバイトが希望していないのに、商品を強制的に購入させる売買契約は公序良俗に反して無効となり、また不法行為として損害賠償責任が認められる可能性があります。

アルバイトの遅刻や⽋勤などによる労働契約の不履⾏や不法⾏為に対して、あらかじめ損害賠償額等を定めることはできません。


遅刻を繰り返すなどにより職場の秩序を乱すなどの規律違反をしたことへの制裁として、就業規則に基づいて賃⾦の⼀部を減額する場合であっても、労働基準法に違反する減給制裁はできません。


労働基準法第 91 条(制裁規定の制限)
就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、⼀回の額が平均賃⾦の⼀⽇分の半額を超え、総額が⼀賃⾦⽀払期における賃⾦の総額の⼗分の⼀を超えてはならない。

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