義務の履行は忘れずに 〜在留資格変更・在留期間更新のガイドライン〜
在留資格の変更及び在留期間の更新は、出⼊国管理及び難⺠認定法(以下「⼊管法」という)により、法務⼤⾂が適当と認めるに⾜りる相当の理由があるときに限り許可することとされています。判断は専ら法務⼤⾂の⾃由な裁量に委ねられ、申請者の⾏おうとする活動、在留の状況、在留の必要性等を総合的に勘案して⾏われます。
ここでは出⼊国在留管理庁のガイドラインで⽰されている判断の際に考慮される事項を紹介します。法令遵守と義務の履⾏に注意しましょう。
なお、社会保険加入の促進を図るため健康保険証の提示を求めている件について、令和6年12月2日より健康保険証の新規発行が廃止されることから、同日以降は健康保険証を所持していない者については、スマートフォン等によるマイナポータルの「資格情報」画面の提示、「資格情報のお知らせ」又は「資格確認書」の提示を求めるとしています。
1)⾏おうとする活動が申請に係る⼊管法別表に掲げる在留資格に該当すること
⼊管法別表第⼀に掲げる在留資格については同表の下欄に掲げる活動、⼊管法別表第⼆に掲げる在留資格については同表の下欄に掲げる⾝分⼜は地位を有する者としての活動であること。これは在留資格該当性といって許可の際に必要な要件となります。
2)法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること
外国⼈が⽇本に⼊国する際の上陸審査の基準ですが、在留資格変更及び在留期間更新に当たっても、原則として適合していることが求められます。
3)現に有する在留資格に応じた活動を⾏っていたこと
例えば、失踪した技能実習⽣や、除籍‧退学後も在留を継続していた留学⽣については、正当な理由がある場合を除き、消極的な要素として評価されます。
4)素⾏が不良でないこと
素⾏については善良であることが前提となり、良好でない場合には消極的な要素として評価されます。具体的には、退去強制事由に準ずるような刑事処分を受けた⾏為、不法就労をあっせんする等は、素⾏が不良であると判断されることとなります。
5)独⽴の⽣計を営むに⾜りる資産⼜は技能を有すること
⽇常⽣活において公共の負担となっておらず、かつ、資産⼜は技能等から⾒て将来において安定した⽣活が⾒込まれること(世帯単位で認められれば⾜ります)が求められます。仮に公共の負担となっている場合であっても、在留を認めるべき⼈道上の理由が認められる場合には、その理由を⼗分勘案して判断することとなります。
6)雇⽤・労働条件が適正であること
就労している(しようとする)場合には、アルバイトを含めその雇⽤‧労働条件が、労働関係法規に適合していることが必要です。
7)納税義務等を履⾏していること
納税の義務がある場合には、当該納税義務を履⾏していることが求められ、履⾏していない場合には消極的な要素として評価されます。国⺠健康保険料など、法令によって納付することとされているものについても同様です。
8)⼊管法に定める届出等の義務を履⾏していること
⼊管法上の在留資格をもって中⻑期間在留する外国⼈は、⼊管法に規定する在留カードの記載事項に係る届出、在留カードの有効期間更新申請、紛失等による在留カードの再交付申請、在留カードの返納、所属機関等に関する届出などの義務を履⾏していることが必要です。