コラム外国人を採用する際は、必ず在留カードの確認を!
在留カードの見方とその確認方法

外国人を採用する際は、必ず在留カードの確認を!
在留カードの見方とその確認方法

外国人は、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という)で定められている在留資格の範囲内で、日本での活動が認められています。就労が認められている資格かどうか、外国人を雇い入れる際には、必ず在留カード等により確認してください。


また、「留学」や「家族滞在」などの在留資格の外国人が資格外活動許可を受けて就労する場合は、在留カードや旅券(パスポート)又は資格外活動許可書などにより、資格外活動許可を受けていることを確認してください。


確認のための書類見本(厚生労働省「外国人を雇用する事業主の皆さまへ」令和5年6月版)

①氏名 ②在留資格 ③在留期間 ④生年月日 ⑤性別 ⑥国籍・地域 
⑦資格外活動許可の有無 ⑧在留カード番号



2.在留カードの偽造・改ざん等の確認方法

在留カードの確認をする際は、その在留カード番号が失効していないか、偽造や改ざんされていないかどうかも確認してください。在留カード等読取アプリは簡単に操作できますので、出入国管理庁のサイトからアプリをダウンロードし、偽造・改ざんの確認をしましょう。


 在留カード等番号失効情報照会ページ https://lapse-immi.moj.go.jp/
 在留カード等読取アプリケーション https://www.moj.go.jp/isa/policies/policies/rcc-support.html


●目視でも確認できます(出入国在留管理庁サイト「在留カード及び特別永住者証明書の見方」より)


       

3.不法就労は事業主にも処罰が

不法就労外国人を雇用した場合は、事業主にも不法就労助長罪で罰則が科されます。知らなかったでは済まされませんので、採用時の確認を怠らないようにしましょう。


・不法就労させたり、あっせんしたりした者
 → 3年以下の懲役・300万円以下の罰金(入管法第73条の2)
・外国人の雇用又は離職をハローワークへ届出なかった者、虚偽届出をした者
 → 30万円以下の罰金(労働施策総合推進法第40条)


4.在留資格による就労の可否

4−1. 在留資格に定められた範囲で就労が認められる在留資格


4−2.原則として就労が認められない在留資格

「留学」「家族滞在」の在留資格の方がアルバイト等の就労活動を行う場合には、地方出入国在留管理局で資格外活動の許可を受けることが必要です。


資格外活動の許可を得れば、「留学」については原則として1週28時間まで就労することが可能となります。また、在籍する教育機関が夏休み等の長期休業期間中については、1日8時間まで(日本人と同じく就労時間の上限は週40時間まで)就労することが可能となります。その際は、確認のため学校の証明書を取り付けるようにしましょう。


また、資格外活動の許可を得れば「家族滞在」についても、原則として1週28時間まで就労することが可能となります。事前に「旅券の資格外活動許可証印」又は「資格外活動許可書」などにより就労の可否及び就労可能な時間数を確認して下さい。なお、風俗営業等に従事することはできません。


4−3.就労活動に制限がない在留資格

これらの在留資格には就労活動に制限はありません。


5.在留カードの偽造に注意!

2023(令和5)年4月29日に新型コロナウイルス感染症に関する水際対策が終了し、日本に在留する外国人を取り巻く状況は大きく変化しています。そのような中、警察庁・法務省・出入国在留管理庁・厚生労働省は5月23日に「不法就労等外国人対策の推進(改訂)」を策定し、4省庁が一層協力して不法就労等問題に取組んでいくことを確認しました。


2023年1月1日おける不法残留者数は、7万491人(前年同日より3,732人増)と増加しています。また、これまで不法残留や不法入国という単純な形態だったものが、近年では下記のように多様化し、年を追うごとに悪質かつ巧妙化しています。

・偽変造の在留カード等を行使して就労する
・在留資格に応じた活動ではなく偽装滞在して単純労働に従事する
・条約上の難民に該当しないにもかかわらず、濫用・誤用的に難民認定申請して就労する
・技能実習先から失踪しSNS等を利用して他所で就労する
・留学生が中途退学処分を受けた後も帰国することなく在留期間を利用して就労する


2021(令和3)年3月からは出入国在留管理庁が保有する在留管理情報と厚生労働省が保有する外国人雇用状況届出情報のオンライン連携が開始され、デジタル化が進む社会の状況に応じた具体的な対策強化が進められています。


外国人雇用に関してはルールがありますので、意図せず法令違反とならないよう、お気軽にご相談ください。

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